「いつか伝えよう」「いつか考えよう」――そう思っているうちに、大切な人との時間は過ぎていきます。
しかし、「もし明日が来ないとしたら」…あなたは今日をどう過ごすでしょうか?
今日は、ノーマ・コーネット・マレックの詩を題材に、司法書士の視点から相続や遺言の大切さについてお話ししたいと思います。
「もし明日が来ないとしたら」
あなたが眠りにつくのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは もっとちゃんとカバーをかけて
神様にその魂を守ってくださるように祈っただろう
あなたがドアを出て行くのを見るのが
最後だとわかっていたら
わたしは あなたを抱きしめて キスをして
そしてまたもう一度呼び寄せて 抱きしめただろう
あなたが喜びに満ちた声をあげるのを聞くのが
最後だとわかっていたら
わたしは その一部始終をビデオにとって
毎日繰り返し見ただろう
あなたは言わなくても わかってくれていたかもしれないけれど
最後だとわかっていたなら
一言だけでもいい・・・「あなたを愛してる」と
わたしは 伝えただろう
たしかにいつも明日はやってくる
でももしそれがわたしの勘違いで
今日で全てが終わるのだとしたら、
わたしは 今日
どんなにあなたを愛しているか 伝えたい
そして わたしたちは 忘れないようにしたい
若い人にも 年老いた人にも
明日は誰にも約束されていないのだということを
愛する人を抱きしめられるのは
今日が最後になるかもしれないことを
明日が来るのを待っているなら
今日でもいいはず
もし明日が来ないとしたら
あなたは今日を後悔するだろうから
微笑みや 抱擁や キスをするための
ほんのちょっとの時間を どうして惜しんだのかと
忙しさを理由に
その人の最後の願いとなってしまったことを
どうして してあげられなかったのかと
だから 今日
あなたの大切な人たちを しっかりと抱きしめよう
そして その人を愛していること
いつでも いつまでも大切な存在だということを
そっと伝えよう
「ごめんね」や「許してね」や「ありがとう」や「気にしないで」を
伝える時を持とう
そうすれば もし明日が来ないとしても
あなたは今日を後悔しないだろうから
~ノーマ・コーネット・マレック作
(アメリカ・ケンタッキー州出身の詩人。
1989年に10歳で亡くなった息子サムエルに捧げた詩)
相続は「明日が来ないとしたら」に備えること
この詩が伝えているのは、「大切な人に想いを伝えること」の大切さです。
相続も、まさにこの詩のメッセージとつながっています。
相続の手続きに関わっていると、
「もっと話しておけばよかった」
「本人の意思が分からない」
「相続のことを考える時間がなかった」
という声をよく耳にします。
でも、もし明日が来ないとしたら――。
「いつか」は突然奪われるかもしれません。だからこそ、「今日」のうちに考えておくことが大切なのです。
遺言は、大切な人への「愛してる」の形
遺言書を作成することは、財産を誰にどう分けるかを決めるだけではありません。
それは、「ありがとう」「ごめんね」「大切に思っている」という気持ちを形にする手段でもあります。
たとえば…
✅ 「長男に家を託したい」
✅ 「介護してくれた娘に少し多めに渡したい」
✅ 「家族に負担をかけないようにしたい」
そうした想いを、正式な書面に残すことで、「もし明日が来ないとしても」大切な人に伝えることができます。
「明日が来るのを待っているなら、今日でもいいはず」
この詩の一節にあるように、遺言や相続の準備も、「いつか」と思っているなら、今日始めることができます。
今できる準備をしておけば、もしものときにも、残された家族が後悔せずに済むかもしれません。
司法書士として、皆様が安心して大切な人へ想いを残せるよう、相続や遺言のサポートをさせていただきます。
「もし明日が来ないとしたら」――そう考えたとき、今日できることを始めてみませんか?
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