こんにちは、司法書士の今井です。
2025年（令和7年）4月21日と2026年（令和8年）4月1日から、不動産登記に関する重要な法改正が施行されます。
「住所変更の登記って義務なの？」
「過去の住所変更も対象になる？」
「手続きを忘れると罰則があるって本当？」
このような疑問を持つ方も多いでしょう。今回の法改正では、住所変更登記の義務化、新しい登記手続きの導入、罰則（過料）の適用 など、不動産所有者に直接関わる変更が多く含まれています。
この記事では、司法書士や公的機関の情報をもとに、不動産登記ルールの改正内容をわかりやすく解説 し、「何をしなければならないのか？」 を詳しく説明します。
1. 不動産登記規則の改正とは？なぜ今変更されるのか
🔍 なぜ住所変更登記が義務化されるのか？
今回の法改正の背景には、「所有者不明土地問題」 があります。
所有者が亡くなった後も相続登記がされず、登記上の所有者が誰かわからない土地が全国に増えている問題です。国土交通省の調査によると、日本全国の所有者不明土地の総面積は九州全体の面積を超えるとも言われています。
所有者不明土地が増えると、次のような問題が発生します。
- 公共事業の遅れ（道路整備や防災工事の際に所有者が不明で工事が進まない）
- 不動産取引の停滞（買いたい人がいても所有者が不明で売買ができない）
- 相続手続きの混乱（登記がされておらず、相続人が遺産分割できない）
このような問題を解決するため、住所変更登記の義務化と新ルールが導入されることになりました。
2. 2025年4月21日（令和7年）からの変更点
📌 住所変更登記の手続きが簡素化
2025年4月21日以降、法務局が住民基本台帳ネットワーク（住基ネット）や戸籍データと連携する ことで、住所変更登記の手続きが一部自動化されます。
🔹 具体的な変更点
✅ 住民票や戸籍謄本の提出が不要になるケースがある
✅ 一部の住所・氏名変更は、登記名義人が手続きをしなくても自動反映される
✅ 手続きの負担が軽減され、登記変更のハードルが下がる
例えば、引っ越しや結婚による氏名変更があった場合、今までは登記名義人が書類を準備し法務局に届け出る必要がありました。しかし、新ルールでは、法務局が役所のデータと連携して変更を反映 することができるようになり、登記変更を忘れるリスクが減ります。
3. 2026年4月1日（令和8年）から住所変更登記が義務化！
2026年4月1日からは、住所変更登記が義務化され、変更後2年以内に登記しなければならない というルールが適用されます。
🔹 住所変更登記の義務化とは？
✅ 変更後2年以内に登記を申請する義務が発生
✅ 正当な理由なく登記しない場合、最大5万円の過料（罰則）が発生する可能性
✅ 過去の住所変更も対象となるため、2026年以前に引っ越した人も注意
4. 住所変更登記をしないとどうなる？罰則（過料）のリスク
「うっかり忘れていた！」では済まされません。2026年4月1日以降、住所変更登記を怠ると最大5万円の過料が科される可能性 があります。
📌 住所変更登記を怠った場合のペナルティ
✅ 2年以内に登記をしないと、過料の対象に
✅ 不動産の売却時にトラブルが発生する可能性
✅ 相続登記がスムーズにできなくなる
5. 住所変更登記の手続き方法と必要書類
🏡 住所変更登記の手続き方法
住所変更登記は、不動産のある法務局で手続きを行います。
📑 必要な書類
✅ 住民票の写し（住所変更を証明するもの）
✅ 登記申請書（法務局に提出する書類）
✅ 登録免許税（1件につき1,000円）
司法書士に依頼すると、スムーズに手続きが進みます。
6. まとめ｜今すぐ確認すべき3つのポイント
2025年4月21日と2026年4月1日から、不動産登記に関する重要な改正が行われます。
🔹 これから対応すべきこと
- 2025年4月21日から、一部の住所・氏名変更登記が自動化
- 2026年4月1日から、住所変更登記が義務化され、2年以内に手続きが必要
- 放置すると最大5万円の過料（罰則）が発生する可能性あり
📍 まずは自分の不動産の登記情報をチェック！
「自分の不動産、ちゃんと最新の住所で登記されているかな？」と気になった方は、法務局で登記簿を確認することをおすすめします。
また、「親の不動産の住所が古いままかもしれない…」という方は、早めに確認し、必要であれば登記の変更を行いましょう。
この記事が、皆さんの大切な不動産管理に役立てば幸いです！
